【考察】「Bad Dream:Coma」
※この記事はネタバレを含みます。未プレイの方はご注意ください。
前記事で紹介した「Bad Dream:Coma」(バッドドリーム:コーマ)を自分なりに考察してみました。
結局この悪夢はなんだったの?というお話です。
*「Bad Dream:Coma」って何? という方はこちらで紹介していますので、よろしければどうぞ!
*エンディングと実績獲得のための攻略もまとめました!
結局どんな話だったの?
ルートごとに明かされる情報が違うこのゲーム、全てを確認するのはかなり大変です。
そこで、自分なりに理解したストーリーをまとめてみました。
わたし自身英語はできず、機械翻訳を使っての考察です!
なので、もしかしたら めちゃくちゃ間違っているかもしれません、あしからず…
少年の願い と 悲しき"死”
大切な飼い犬を亡くした少年は、病気の両親とも、同じように別れることを恐れます。
なんとかして死を遠ざけようと思いつく限りのことをしましたが、残念ながら結果は変わりませんでした。
悲しみに暮れる少年の描いた一枚の絵を見て、"死”も深いショックを受けます。
皆に嫌われる自分が嫌になった"死”は、人々の前から永遠に姿を消すことを決意しました…
これが、夢の世界に死が無くなり、人々が怪我や苦痛に苦しみ続けるようになった理由です。
Neutralエンディングでは、死の仕事を主人公が引き受け、代わりに苦しむ人々をこの世界から解放します。
Goodエンディングでは、主人公の善い行いによって夢の世界は平和になり、みんな夢の中でハッピーに暮らしました。(それでいいのか)
Badエンディングはさらに分岐がありますが、大まかにいえば 元凶である少年が死を説得しようと主人公と協力する…といった結末でした。
夢の中の人物=現実の人間?
ところで、夢の中で目覚められなくて苦しんでいた人たちは、実際に存在する人物なのでしょうか。
つまり、主人公と同じように現実で眠り、悪夢に迷い込んでしまったのか。
それとも、そういう設定の夢を、主人公一人が見ていただけなのか?
それらをスーツの男の存在から読み解きたいと思います。
スーツの男は何者?
主人公が夢に来るより以前から、夢を抜け出す方法を探しているというスーツの男。
夢の中に出てくる人物の中で一人だけ、明らかに異様な見た目をしています。
ルートごとに見た目の変わる唯一の人物でもあり、通常はピエロのメイク。
悪い行いを取った場合には、仮面をつけて現れます。
「夢の中に出てくる仮面」ということから、すぐ思い浮かぶのはユングの提唱した《ペルソナ》です。
・ペルソナとは?
もともと古典劇の世界で役者が使った仮面のことです。ユング博士は、この言葉を、外的・社会的にみせる表向きの態度、という意味で使っています。
夢と解釈のサイト ユング心理学と象徴辞典 様より引用
そして、ペルソナの対になるものとして、抑圧された自我《シャドウ》というものもあります。
ペルソナは多くの場合、社会的に期待された役割で、道徳的、倫理的に正しく、一般的に良い事とされる役割といえるでしょう。一方でシャドウは、その役割と反対の性格をもつ要素で、道徳的、倫理的に正しくない要素が多く、悪い事と評価されるものです。
リベラルアーツガイド 様より引用
主人公が悪い行いを取った時だけ現れる仮面の男…
主人公自身を「シャドウ」だと考えれば、辻褄が合うような気がします。
じゃあ Goodルートのスーツの男は何かって? 知らん。
仮面の男と少年の共通点
スーツの男はピエロのようなメイク(?)が特徴的ですが、少年も、よく見ると両目の下に黒い点があるのがわかるでしょうか。
実はこれもピエロ(本来はクラウンと呼ぶ)のメイクの一種のようなのです。
目の上や下に黒点を描く
黒目が大きい事を意味します。
アルジェントさーかすのブログ 様より引用
現代では、目が大きく見えてかわいく見せる為のテクニックとして使われることもあります。
夢に出てくる他の人物にはこのような特徴はないところから、この二人は何かつながりがあるのかも?と考えられます。
少年の正体
Goodルートにおいて、少年は最後まで、両親がどこにいるかわからず、心配しています。
対してBadルート。
途中までは、少年は同じように両親を心配していますが、chapter8で、自分はなぜか子供のように見えるが、本当は35歳(!)で自分の家族もいる と思い出します。
chapter6で訪れた、少年がいたアパートはおそらく(35歳の)少年の現在住んでいるか、最近まで住んでいた家でしょう。
Badルートでは壁の写真に落書きがされています。
角が生えている男性が、大人になった少年だと思われます。たれ目に面影があるような…?
主人公が悪い行いをする → 大人になった少年の写真に角が生える ことから、大人になった少年が主人公である と想定できます。
…という夢をみたんだ
まとめます。
- 夢を見ている主人公は、両親を亡くしたことが大人になった今でも(無意識のうちに)強い悲しみとして心に残っていた。
- 両親が死ななくて良かった世界を夢の中に作り出すが、そんな世界は成り立たないと理性は理解しているので、夢の中の人々は苦しんでいる。
夢が病院で始まり病院で終わるのは、両親が入院していたころ、病院に通った記憶が悲しみと結びついているからだと思います。
夢の中の人たちは、主人公の記憶が作り出した、夢の中だけの存在なのではないかと。
Neutralエンディングでは全て消す=忘れることで心の安定を図る。
Badエンディングは、夢としては最悪だけど、壊れた仮面からわかる主人公のストレス、抑圧された自我であるプレイヤーが解放され好き勝手にふるまった結果、過去の自分(少年)がトラウマと向き合い 納得いく形で昇華することができた、とみると、もしかしたら一番よい終わりなのでは?
逆にGoodエンディングは、自我がペルソナに寄り添った結果、少年はこどもの心のまま成長しませんでした。
汚いものは全て排除し、出来上がった美しく幸せな夢の中で このまま暮らすのも悪くない、という結末にまで達しています。
これが現実的に良い解決法だとはとても思えません…
だってあなた、カラスを殺すのを我慢しませんでしたか?
ゲームの中でまで「善い行動」をするなんて、自分に嘘をついていませんか?
おわりに
…ただ、この考察は穴があって、
主人公のお母さんと、アパートの壁の写真(少年のお母さん)が同一人物には見えないのと、
主人公の今いる家が、どうみても あのアパートじゃないというところです。
なので、これは個人の妄想です!
(・~・)< 信じるか信じないかはあなた次第…
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました!
※本記事内の画像は全て Bad Dream: Coma からの出典です